National 6FM7

 テレビ用に開発された真空管を、よくテレビ球と呼びます。この真空管も,テレビ球のひとつで、ふたつの種類の異なる三極管がひとつのバルブに入っています。比較的オーディオ用にも使いやすい真空管で,テレビ球にしては割合ポピュラーな6EM7という真空管とほぼ同様の特性で、ソケットがコンパクトロンと呼ばれる12ピンのものになっています。GT管と違って、ハカマと呼ばれるベース部分が無く、ミニチュア管を大きくしたようなスタイルです。

 テレビ球のような真空管は、今ではほとんど生産されていないので、気に入ったものは手に入る時に買っておかないと、もはや入手不可能、という事にすぐなってしまいます。という訳で、少しまとめ買いをしてきました。コンパクトロンのソケットも、あまり今では見かけないので、買っておく必要があるかも知れません。

 今回買った6FM7は、National Electronicsというアメリカの商社の名前が入った真空管で、アメリカ製という事になっています。テレビ球に関しては、どこの会社名が入っていても、どこで作られたかは分かりません。GE(General Electric)やRCA、Sylvaniaなどが有名なのですが、ブランドを気にしても仕方がない感じがします。この真空管は、ガラスもきれいな状態で、比較的製造年月日が新しいのではないかという感じがします。

 下の写真は、バルブの頭の部分です。分かりにくいのですが、頭頂にも型番と国名が印刷されています。また、よく見るとヒーターの配線が見えます。

 下の写真は、横にして写したものですが、この角度からだとふたつのユニットが入っているのがよく分かります。内部配線の様子もよく見えます。

 ミニチュア管と違って、真空を引いた後の封止を下側でしています。こう見ると、ベース部分の厚いガラスの感じが、意外と面白く感じます。

2006年11月23日 記.
2010年12月3日 転記.
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